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学生アルバイト全国調査結果

 

昨今、「ブラックバイト」という言葉が話題になっています。アルバイト先での働かせ方によって、本来優先すべき学業や課外活動に取り組むことができない学生の実情が注目されてきていますが、その実態については、未だ体系的には把握されていません。

ブラック企業対策プロジェクトでは、ブラックバイトを「学生であることを尊重しないアルバイトのこと」と定義し、学生アルバイトの全体像を把握するとともに、必要な対策を提言するため、全国27の大学、約4700人を対象に2014年7月に本調査を実施しました。その調査結果を公表します。

学生アルバイト全国調査結果は、こちらからダウンロードいただけます。

学生アルバイト全国調査結果(全体版)

学生アルバイト全国調査結果(速報)


主な調査結果

【1.深夜労働や長時間労働、柔軟な働き方を求められている学生】

  • 深夜営業に対応できる労働力、長時間働ける労働力、十分な休憩を取らずに働ける労働力として、学生アルバイトが活用されている現状が読み取れる。
  •  一方で、職場の繁閑や天候などに応じて、シフトが勝手に変えられたり、削られたりするなど、人件費抑制が強く求められている職場の都合にアルバイト学生が翻弄されている様子もうかがわれる。その傾向は特に、居酒屋バイトの学生に強い。

【2.もはや「割が良い」とは言えない塾・家庭教師アルバイト】

  • かつて、塾・家庭教師のアルバイトは、時給が高いため、短い労働時間でそれなりの収入が得られる、「割の良い」アルバイトであった。
  • しかし、個別指導塾の広がりなどに伴い、現在では他のアルバイトと比べた時給は、さほど高いものではなくなっている。
  • しかも、塾・家庭教師の場合、授業時間帯の前後の準備や報告書作成、授業時間外の相談業務などには賃金が支払われないケースが多く、そのことも加味すると、塾・家庭教師のアルバイトは、時給が高いアルバイトとは言えなくなってきている。
  • 現在、「ブラックバイト」問題の認知の拡大に伴い、ブラックバイトユニオンなどには学生からの相談が多数寄せられるようになってきているが、その中には塾・家庭教師のバイトの相談が多い。授業時間帯以外の賃金が支払われない、辞めたくても辞められない、といった相談が中心となっている。

【3.大学生活を掘り崩す深夜バイト】

  • 学生が深夜バイトに従事するのは、昼間の授業とのバッティングを避ける意味あいや、時給が高く効率的に稼げるという意味あいがあると考えられるが、実際には深夜バイトによって疲れてしまい、学業への支障が出ている者の割合が高い。
  • 深夜バイトに従事している者では、労働条件の書面交付がない、募集と実態が違う、休憩が適正にとれていない等、労務管理が不適切である傾向がより強くみられる。
  • 男性、私立、自宅外の学生で深夜バイトの割合が高いのは、私立大学の場合に授業料が高額であること、男性である場合に深夜バイトへの抵抗が比較的少ないこと、自宅外であるため家賃や生活費などをまかなう必要があることなどの要因が関係しているものと考えられる。しかし、深夜バイトには上記のような問題があり、注意が必要である。

【4.生活費のために長時間労働を余儀なくされる学生の存在】

  • アルバイトは、娯楽費など、学生生活の充実のために行われているとは限らず、勉学と生活の費用をまかなうために長時間のアルバイトを行っている学生が一定程度存在している。
  • 彼らは長時間のアルバイトを行うことによって、学業に支障をきたしている傾向が強いが、しかし学業を優先してアルバイトを減らすわけにはいかない経済事情を抱えている。

【5.不当な扱いにさらされている学生】

  • アルバイトの学生は、働くということに不慣れであり、そのために足元をみられ、不当な扱いを受けている可能性がある。
  • 労働条件を記載した書面を渡されていない学生の方がトラブルにあっている割合が高く、労働条件を記載した書面を受け取ることの大切さや、基本的な労働法の知識、相談先などを、アルバイトに従事する際には知っておくことが重要である。

求められる対策

【1、労働条件は書面で受取、確認できる事が当たり前の社会に】

労働条件を書面で受け取っていない学生が、不当な扱いに遭遇している傾向が高い。労働条件は書面で確認することが当たり前の社会にしていく必要がある。学生にも、労働条件を書面で確認して保管するなどの自衛策が求められる。

【2、大学一年次の夏休み前に、学生部やキャリアセンターによるガイダンス、もしくは授業などで、アルバイト就労を考える機会を】

まず、大学関係者はこの現状について認識すること。可能であれば、大学ごとの実態を把握するために、在籍学生を対象とするアルバイト調査を実施することが望ましい。
労働条件を書面で確認してから働くことが大事、そのためにはアルバイト就労について、大学1年次から注意喚起をすべきである。1年次生対象のアルバイトについての説明会(労働契約に関する注意、ブラックバイトの見分け方、学生生活との両立の仕方、深夜バイトのリスクなど)を行うことが効果的である。
アルバイト就労後も、今の働き方がまともな者であるか、また学業との両立との関係から妥当なものであるか、見直す機会をつくるべきである。学生がアルバイトについて相談できる窓口を各大学に作ることが望ましい。

【3、労働法教育】

不当な働かせ方に気づき、どう対処できるかを考える機会を高校生や大学生に提供する必要がある。高校や大学において卒業後のはたらき方も含めて労働法教育を実施すべきである。
「あきらめない・自分を責めない」「記録をとる」「専門家に相談する」

【4、経済的支援】

今回の調査において、貸与型奨学金はアルバイトの抑制につながっていないことが明らかとなった。教育機会の均等に加えて、ブラックバイトを防止する観点からも、給付型奨学金による経済的支援の実施が強く望まれる。

【5、各自治体によるブラックバイトの相談機関の設置】

ブラックバイトの中には「違法」状態のものが、数多く含まれている。大学生が違法状態で働かされていることは教育問題であると同時に、大きな社会問題でもある。各大学で相談窓口が作られたとしても、それは法律の専門能力という点で限界がある。各地方自治体は大学生、さらには各大学窓口が相談することができる相談機関を設置すべきである。その相談機関には、可能であれば弁護士など法律の専門家を置くことが望ましい。

 

 


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