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Aさん IT企業 Y社
IT業界の中でも成長企業として知られるY社に就職したAさん。新人研修後、派遣された企業から、「コミュニケーション能力の不足」とサーバールームに勤務中「歌を歌っていたこと」を理由に解約され、退職強要を受けた。以降上司に毎日呼び出され、2時間以上叱責を受け、「お前は信用されていない」「価値観を変えないとだめになる」「リボーン(生まれ変わり)させたい」などと言われつづけた。最後には、ホームレスに働くことは何かを聞き、レポートにまとめるという仕事を「人間としておかしい」部分を改善するために課された。
同僚の一人によれば「自分への自信を、だんだんに失っているように見えた。泣きそうな顔で呆然とすわっていることがあった。」と言う。彼は同月の内に、自己都合退職に至った。 (参考「ブラック企業」文春新書)
Bさん 衣料品販売 X社
超大手・優良企業の衣料品販売X社に就職したBさん。「私の場合は、パワハラはずっと感じていたし、冬の商戦に突入すると急に忙しくなって拘束時間は14時間になりました。その頃味覚も変わってきて、刺激物が欲しくなるようになりました。なぜか毎日カレーがたべたくなるんですよ。家に帰ってもねむれないようになって、気分が落ちて、『いま車に轢かれたらいいのに』と思うようになりました。そうすれば仕事に行かなくていいからです。急激にやせたし、仕事中にMサイズの服が何枚足りないとか気付いても、取りに行く間に忘れちゃうんです。
病院に行ったら『休んだほうがいいし、一回実家とか帰ってゆっくりしたらいいんじゃないかな』と医者に言われました。そのままお店に診断書を持って行って、『私、辞めます』と伝えました。」(参考:「ブラック企業」文春新書)