東京都知事選挙に向けた政策要求
―「ブラック企業」の被害を繰り返さない東京に―
2014年1月16日
2013年、厚生労働省が「若者の使い捨てが疑われる企業」を重点的に監督した結果、4000以上の企業・事業所で法令違反が確認され、調査対象の82パーセントで違法な働かせ方が横行していることがわかりました。都内では243の事業場で法令違反が見つかり、国内でも「ブラック企業」が集中している実態が明らかになりました。
私たち「ブラック企業対策プロジェクト」は、東京都知事選挙に向けて、各候補者に下記の政策を実現するよう訴えます。
記
一、都内の労働相談窓口を拡充すること。
現在東京都は、賃金・退職金等の労働条件などの労働問題に関する相談に応じる窓口を6つ設けています(下記URLを参照)が、八王子市および国分寺市にある労政事務所を廃止し、相談に従事する人員を削減する方針を掲げています。
「ブラック企業」被害の防止や救済のためには、社外に信頼のおける相談窓口があることが重要です。厚生労働省は夜間・休日でも相談できる窓口を拡充することを決め、概算要求にこの経費を盛り込みました。
東京都が労政事務所を廃止することは、こうした流れに逆行するものです。窓口の削減を撤回し、「ブラック企業」被害に遭った労働者のための窓口を拡充することを求めます。
参考URL:http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sodan/rodosodan/
一、東京都の中学校・高等学校においてワークルール教育を実施すること。
学校教育段階でワークルールに関する十分な知識を得ておくことは、若者が就職先を探す際に「ブラック企業」を見分ける上で、また、万が一「ブラック企業」に入社してしまった際に適切な法的行動の選択肢を持っておく上で、不可欠です。
そこで、労働局の職員の学校への派遣や、弁護士などの専門家との連携を通じて、中学校や高等学校など教育現場において生徒たちがワークルールについて学習する機会を保障することを求めます。
一、東京都の取引先企業に対し、若者の「使い捨て」を行わないよう要求すること。
東京都が「ブラック企業」を委託先に選定すれば、「ブラック企業」が社会的に承認されることに繋がりかねません。事業を委託した事業者に対して若者の「使い捨て」を行わないように監督・指導を行うこと、ひいては「若者の使い捨て」を繰り返す企業を委託先に選定しないような対応が求められます。
また、上記の目的を達成するため、基準の策定や条例の制定に取り組むことを求めます。
*「ブラック企業対策プロジェクト」とは*
私たちは、ブラック企業によって若者が使い潰されることのない社会を実現するために、各分野の専門家が力を合わせて発足した任意団体です。ブラック企業による被害の実態についての調査および報告はもちろん、被害者の法的権利実現のための政策提言や、若者に対しブラック企業の具体的な見分け方や対処方法の発信を行う事によって、日本社会からブラック企業をなくすことを目指します。
[共同代表]
棗一郎(弁護士/日弁連労働法制委員会事務局長)
藤田孝典(NPO法人ほっとプラス代表理事)
今野晴貴(NPO法人POSSE代表)
[連絡先]
住所:東京都世田谷区北沢4-17-15 ローゼンハイム下北沢201号室
TEL:03-6673-2261
FAX:03-6845-3255
以上
PDF ダウンロード http://bit.ly/1fA1gV6