Special
ワンオペとは?
ワンオペってどんな問題?
ワンオペとは、ワン・オペレーションの略で、飲食店やコンビニで従業員が一人でシフトに入っている状態のことを言います。ワンオペ時には一人で清掃、接客、調理、仕入れ作業の全てを行わなければならず、業務が過酷になることをはじめ、「トイレに行くことができない」「掃除や料理の提供が間に合わなくなる」など、様々な問題点があります。最近は「ブラックバイト」の典型例として、このように過酷で責任の重いワンオペを学生バイトに任せるということも起きています。
すき家のワンオペ問題とは?
(1)すき家「ワンオペ」問題とは
牛丼チェーンのすき家で、従業員が一人でシフトに入る「ワンオペ」が問題となっています。一人で清掃、接客、調理、仕入れ作業等の全てを担当するワンオペは、以下のような問題を引き起こしてきました。
①過重労働
職場を離れられないので、従業員は休憩がとれません。10時間以上ものあいだ休憩時間をとれず、トイレに行けないという従業員もいます。労働基準監督署からも23件(2012年~13年)におよぶ休憩の是正勧告を受けたことが明らかになっています。
②強盗被害
ワンオペの店舗を狙い、強盗事件も多発します。11年には、全国の牛丼店で発生した強盗事件の87%(78件)がすき家に集中していました。その後の12年、13年でも約85%に上ります。
③クレームや暴言
ワンオペで料理の提供が遅れたり、店内の清掃が行き届かなかったりと、サービスが疎かになることで、客からのクレームや暴言を頻繁に受けます。
このように、従業員は疲労し、客の暴言や強盗の恐怖におびえ、命の危険にまでさらされながら過酷なワンオペをしているのです。
(2)ワンオペ問題に対する、すき家の対応
社会的な批判の強まりを受けて、今年9月30日にすき家は、これまで24時間営業を行ってきた1843軒の店舗のうち、約6割にあたる1167店舗で、10月1日から深夜営業を一時休止すると公表しました。これは、ワンオペをなくす決定的なチャンスです。
一方で、残りの676店舗では、ワンオペを解消できるとして、深夜営業が続けられることになりました。これらの店舗で本当にワンオペがなくなるのか、不安が残ります。
実は、すき家は3年前の2011年にも、強盗事件の多発を受けて、12年3月までにワンオペの解消を約束していました。ところが、この約束は破られてしまい、今年8月時点で940もの店舗でワンオペが実施されていました。
従業員からも「ワイヤレス非常ボタンを導入しただけで、ワンオペ改善なされなかったことに失望しました」「強盗が入って警察から言われて、やっと2オペに したと思っても、あっという間にワンオペに戻していたり、信じられないとおもった」という不信の声が上がっていました。