ブラック企業対策プロジェクト主催　新人・若手ソーシャルワーカー向けセミナー

ブラック企業被害に対応できるソーシャルワーカー講座　入門編

　ブラック企業による若者の使いつぶしは、若者の心身を危険にさらします。特に仕事上のストレスを原因とした精神疾患の問題は深刻です。2012年には精神疾患の労災認定件数が475件と三年連続で最多を記録しましたが、その半数以上を占めているのは20代・30代です。

————————————————————————————–

ソーシャルワーカーとして相談者と接する中で、こんな相談者と出会ったことはありませんか？

　うつ症状の為に病院の精神科外来で薬を処方されている20代後半のＡさん。処方箋を持って薬局で薬を貰うのだが、その処方箋を無くしてしまったのでもう一度発行してほしいと病院の窓口に来た。眼はくぼみ髪はボサボサ、汚れたシャツにジーパン姿には覇気がない。
　話を聴かせてもらうと、ＩＴ関係の小さな会社に勤めて一年で、仕事内容は主に大手玩具メーカーの下請けとしてゲームの開発が大くを占めるが、その他に幾つものホームページのメンテナンス、顧客からのクレーム対応等々多岐にわたる。パソコンの前でほぼ1日を過ごしており、食事もコンビニのパンやおにぎりをかじりながら炭酸飲料を飲むことで済ませていた。夜は会社のソファーに横になり一度は眠るがすぐに眼が覚めてしまう。寝不足なのに眠れないそうだ。
　一人暮らしのアパートにも下着の替えを取りに行くだけで3週間以上帰れないこともこの半年は度々だったそうだ。給料も月１９万円と定額制で「就業規則」を見たことも聞いたこともないと言う。

さて、ここまで話を聴いた貴方はどうする？Ａさんを支援するって何をする？？

————————————————————————————–

　パワハラや長時間労働によって心身不良に追い込まれる労働者は、その後の人生でハンディキャップを負ってしまうことも多く、生活困窮状態に陥ってしまうこともあります。

　しかし相談援助の現場では、どうしても相談者が現在直面している問題に目が行き、ともすれば、背景にある労働問題は見落とされがちです。支援現場で働くソーシャルワーカーには、主訴として現れない労働問題、特にブラック企業問題に気づき、適切に対処する能力が求められています。

　以上のような観点から、10年以上にわたり生活困窮者支援の第一線で活動を続けてきたソーシャルワーカー・藤田孝典さんと若者の労働問題に取り組むNPO法人POSSE事務局長・川村遼平さんを講師に招き、ソーシャルワーカーがブラック企業被害に対応するため身に着けておきたい知識や心構えについて議論します。新人・若手ソーシャルワーカーの方は、ふるってご参加ください！

【講師略歴】

藤田 孝典（ふじた・たかのり）

1982年生まれ。社会福祉士。NPO法人ほっとプラス代表理事。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科博士前期課程修了。主著に『ひとりも殺させない』（堀之内出版、2013年）、『反貧困のソーシャルワーク実践』（明石書店、2010年）。2012～13年に厚生労働省社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」にて委員を務めた。

川村 遼平（かわむら・りょうへい）

1986年生まれ。NPO法人POSSE事務局長。日本学術振興会特別研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。主著に『若者を殺し続けるブラック企業の構造』(角川書店、2014年)、『NOと言えない若者がブラック企業に負けず働く方法』(晶文社、2014年)。共著に『就活とブラック企業』（岩波ブックレット、2011年）、『ブラック企業に負けない』（旬報社、2011年）ほか多数。

【開催概要】

日時　3月22日(土)　18時30分～（開場18時15分）

場所　北沢タウンホール11階 研修室3・4

(世田谷区北沢2-8-18　http://kitazawatownhall.jp/map.html)

タイムテーブル

18:15　開場

18:30　開会、講師紹介

18:35　川村遼平さん講演「ブラック企業被害の実態」

18:55　藤田孝典さん講演「ブラック企業に立ち向かうソーシャルワーク実践」

19:25　休憩

19:35　ワークショップ

20:15　ボランティア募集のご案内

20:20　閉会

＊閉会後、同会場にて講師を交えた茶話会を予定しております。お時間のある方は、ぜひご参加ください。

参加費　無料

予約　不要

***

ブラック企業問題に立ち向かうソーシャルワーカーの力が必要です
「福祉・医療ユニット」では、プロジェクトに参加していただけるソーシャルワーカーの方を募集しています。未来ある若者が、職業人生の入り口で就労継続が困難な状態に追いやられてしまうことは、大きな社会的損失です。今こそソーシャルワーカーが彼らの抱える問題に気づき、適切なサポートをしていくことが求められています。会の終わりにボランティア募集の案内も行いますので、ご関心のある方はお気軽にスタッフにお声がけください。

●お問い合わせ

TEL：03-6673-2261

FAX：03-6845-3255

Eメール: admin (アット）bktp （ドット）org